喪失の中で積み重ねるもの

何度か
「何もかも失った」
と感じる経験をして


文字どおり長い期間
起き上がれなくなるような時期を
そのたびに乗り越えてきました。



「こんな自分はダメなんだ」
と心底思うと、
ほんとうに何もできなくなりますよね。


疲れきって
深く傷ついていると

もうそれ以上は
痛い思いをしたくないし、

「がんばったのに、またダメだった」

なんて
思いたくないものです。



怒りなどの強い感情をバネにして
動ける時期も過ぎると、

生きる気力自体がなくなってしまいます。



でも、
そこまでの状態になっても、

生きている限り
いつか何らかの欲求が出てくるものです。



最初はおそらく、
生きるための本能的な欲求。



もしその小さな小さな声を
聞き届けることができたなら、

そこから
また歩き出すことができます。



思い出してみて。


普段、意識しないほど当たり前のように
わたしたちは
自分の声を無視して我慢をすることがあるでしょう。


お腹が空いた、
眠い、
トイレに行きたい、
寒い、
暑い、


感情だけではなくて、
体が感じることまで。



いきなり感情と向き合うことはできなくても
体の感覚は
聴いてあげやすいものも
あると思います。



ひとつずつでいいから、
無理のない範囲で
少しずつ叶えてあげてください。

できれば、すぐに。



そこで得られるものは、
目先の欲求を満たすということだけではなくて、


自分の望みは叶えられるものなんだ、
という実績だったり

労ってもらえた、受け入れてもらえたという
安心感だったり、

望んでもいいのだと感じる、ゆるしだったり。


あなた自身に対する信頼だったり
することでしょう。


きっと、思うよりも
たくさんのものだと思います。



そうして積み重ねるものは
この先歩いていくあなたを
守る力になるから。



絶望の中にいる時、
わたしが何より苦しかったのは

自分の中にある
希望の光が消えないことでした。


もし、今のあなたが
あの日のわたしと重なるのだとしたら。


それでもいつか
また歩き出せる日が来たなら

あなたのその光が
どこかや誰かに繋がっていたり

あなたの背中が
誰かの道標になることもあります。



一足飛びに進もうとしなくても
その時が来たら目まぐるしく変わるから。


できることから
自分のために手を触れてあげてください。